梢庵の扉を開け、広がる景色は約1年前とは、全くちがいました。
上の写真は令和2年4月5日に新しい梢庵の玄関前から撮影しました。
向いの桜の元にはベンチもあります。
お客様にはお花見しながら、ちゃいやマフィン、菓子を召し上がっていただけたらなどと夢想していました。
令和2年5月6日で前店舗閉店からちょうど1年が経ちました。
4月中旬には新装開店のはずでした。
外装、内装も完了し、新たにつくりたての『ジンジャーちゃい』などのドリンク類
ご提供サービスの準備も整いました。
なのに、お披露目できずに申し訳ありません。
梢庵はテイクアウト専門の店舗です。
休業を要請される業種ではありません。ですが休業しておりますのは、
総合的に判断してなのですが、大きな理由はお客様に不要不急の外出を誘発する
ことにつながるのではないかとの懸念です。店舗での対策は万全であったとしても
道中のリスクもあると思います。
新店舗は以前と比べると大変広く、密にならない配慮が可能です。
ご入店いただけるお客様は3名ずつ、メニューは少なく決めてなど
シミュレーションをしてみました。
大丈夫、最小接触でご案内できそう。
閉店から一年後の5月6日オープンに切り替えるべくご購入のご案内シートを
作成するなど具体的に進めていました。
そこへ5月4日に緊急事態宣言延長が発表されました。
うすうす解除は難しいと思いつつ、まあそれでも決めていた対策を万全にして
臨めばよいのではないかと4日までは考えていました。
しかし、“なにか”がちがう。
周囲からもなにもわざわざこの時期にオープンしなくていいのでは?
と言われました。
開店というものは、概ねよかったねと言われるものです。
それが、祝う気持ちなく心配されるというか理解されない、
節目にこだわった意地だけのオープンとなってしまうところでした。
周囲の意見をいつも聞く気はないのですが、これがお客様からのお声がけ
だとしたら素直に聞くものです。
直にはおっしゃらないとは思います。
ただ、行かないだけ。世の中が元どおりになったとしても理解できない
場所に足が向くことはない。
それが頭から離れなかった“なにか”の答えでした。
今、外出を控えていらっしゃるお客様に対して
「どうぞいらっしゃい!」とは、どうしてもちぐはぐです。
では、何と言えばいいのでしょう。
やはり「落ち着いたらゆっくりいらしてください。」と申し上げます。
落ち着いたらというのは、何であるのかまた考えなくてはいけません。
この事態は、1年は続くとも言われています。1ヶ月後の世の様子を
検討するのも無駄に思える五里霧中です。
その中、腹を決め霧に目を凝らし、少しずつ進むということになります。
新たに遠方のお客様のために通信販売の準備も進めております。
どこまでご希望にお応えできるか知れませんが工房、店舗のリズムを整え、
また時勢に合ったタイミングでお届けします。
梢庵は、間もなく必ず新たなかたちで開店いたします。
皆さまそれぞれのお立場で大変なことがおありかと存じます。
どうぞご健康にお気をつけてください。